離断性骨軟骨炎(OCD)の手術ってどのような手術か知っていますか?
- physical-infinity
- 2017年6月13日
- 読了時間: 2分

以前、離断性骨軟骨炎についての解説をしてきました。
(まだ確認していない方は、ブログの離断性骨軟骨炎(OCD)とは?をご覧くださいね)
今回は、離断性骨軟骨炎の手術療法について解説しようと思います。
第一回沖縄スポーツ健康塾でも話される内容となっていますので、予習のために再確認するのも良いですね。
勉強会に参加しない方でも、知っておいて損はありません。一緒に学習していきましょう。
《離断性骨軟骨炎の手術療法》
手術療法の適応は、病変部が不安定で自然修復が見込めない分離後期・遊離期が主ですが、6ヶ月以上の保存治療にて治癒傾向が確認できない透亮期・分離前期の場合にも適応することがあります。
手術療法を適応する場合の留意点として、手術することが決定しているからといって、直前まで痛みをこらえて投球させることは避けるべきだと言われています。不安定病変があるまま投球を続けていると滑膜炎が持続して、そこに外傷的ストレスとなる手術侵襲を加えると、術後の関節炎が持続しやすく、また関節症が進行する場合があるためです。
術中所見をICRS分類に準じて判定しアルゴリズムで術式を決定します。(図1)

手術療法は、鏡視下郭清とドリリング、in-situ骨釘固定、直視下郭清と骨釘固定、骨軟骨柱移植ですが、適応選択を適切にすることにより、野球活動への復帰に関してはいずれの術式の術後成績も良好とされています。(図2)

しかし、画像上の構造的評価では一部の症例において小頭の再建が不良であり関節症の進行を認めたともあります。その大部分が、術前から腕橈関節の適合性不良や関節症性変化を生じていた症例であり、手術療法のタイミングや術式に検討の余地はまだあると言われています。
スポーツ復帰時期は報告によって様々ですが、投球開始時期が3ヶ月、完全スポーツ復帰までの期間が術後平均7.2ヶ月と言われています。
引用文献:岩堀 祐介 離断性骨軟骨炎への病態に即した対応 保存的対応か手術かの選択 臨床スポーツ医学 Vol.32 No7 (2015-7)
少し聞きなれない言葉もあったため、難しかったのではないでしょうか?
ブログを書きながら、やはり離断性骨軟骨炎(OCD)の患者はあまり見たくないなと感じました。事前に防げる病気でもあるため、定期的な診察が重要かもしれませんね。
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