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トミー・ジョン手術は良いの?悪いの?

  • physical-infinity
  • 2017年6月5日
  • 読了時間: 2分

ダルビッシュ有投手や桑田真澄投手、松坂大輔投手と数々のプロ野球選手がトミー・ジョン手術を受けてきました。しかし、トミー・ジョン手術はどのような手術か知っていますか?噂に流されていませんか?しっかりと再確認してみて下さい。

《トミー・ジョン手術とはどのような手術?》

日本では、90年代に開発された伊藤式という手術式があり、靭帯を移植した後に骨を骨孔(上腕骨の穴)に差し込んで固定する方法があります。復帰率は93%と報告されています。

《トミー・ジョン手術の成功率は?》

米国の手術結果を示す、「システマティック・レビュー」の論文によると、トミー・ジョン手術の成功率は約83%と報告されています。手術を成功させても、様々な合併症を起こす可能性があると言われています。

《どのような合併症があるの?》

頻度は約10%と言われています。そのうち、約6%が尺骨神経麻痺を起こししびれを伴います。

《リハビリはどのようなことをするの?》

リハビリは患部だけでなく、理学療法士やトレーナーのサポートを受けて体をトータルで見直す必要性があります。

*肘関節のリハビリにおいて技術的に大切にしているのは、6週目までの肘の完全伸展だと言われています。スローイング開始時に肘関節伸展、前腕回外制限が特に認められやすいためです。

《復帰のタイミングは?》

靭帯が骨と結合しただけでは、腱がしなやかに機能することはありません。移植した腱が靭帯成分として機能するようになるまで最低でも1年はかかると言われています。

参考文献

阿部 正道 MLBでの内側側副靱帯(UCL)損傷 パート3:リハビリの現状 sports medicine 2015 No.176

いかがでしたか?

「1年でトミー・ジョン手術から完全復帰、球速・パフォーマンスの向上する」と言われていましたが、これはすでに終わった神話だと言われています。トミー・ジョン手術のリハビリは長く苦しく、復帰1年目は肘・肩の張りとの戦い、不安定なパフォーマンスも避けられません。

「1年目で肘—体が元の手術前とは違うことに気づき、2年目でその現実を受け止め、付き合い方を見つけ出す」とも言われています。

トミー・ジョン手術を受けた後のリハビリの流れは、完全に全体のペースを遅らせていく方向にあります。

簡単に手術と決めつけず、しっかりと予後予測することが大切ですね。

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