top of page

捻挫 〜足関節Ver.〜

  • physical-infinity
  • 2017年8月14日
  • 読了時間: 3分

捻挫における初期治療は最も重要で、ここを的確に実施できるかどうかでその後の経過に大きく関わってきます。早期復帰のためには、まずRICE処置を確実に行いますが、その際の良肢位安静固定を行うことも大切だと言われています。これを機に、足関節の捻挫について学んでいきましょう。

【足関節と足の捻挫】

捻挫とは、関節が何らかの形で外力を受けることにより、生理的可動範囲を超えて過度の運動を強制された場合に生じる関節の損傷状態を言い、主な損傷は靭帯や関節包、皮下組織であり、骨折や脱臼を除くものとされています。足関節の場合、大きく内反捻挫と外反捻挫に分けられるが、そのほとんどが内反捻挫です。足関節以下遠位部の関節においては、ショパール関節やリスフラン関節の捻挫などがあるが、内反捻挫ほど多くはありません。

1)内反受傷

競技中に過度な外側荷重が強いられたり、不整地や人の足に乗ったり、また、内側から強い接触を受けることなどによって受傷することが多いとされています。内反受傷に伴う損傷靭帯は、主として足関節外側の前距腓靭帯や踵腓靭帯であり、遠位脛腓靭帯や二分靭帯が損傷されることもあります。特に、受傷肢位が足関節底屈・内反位であることから前距腓靭帯が最も損傷されやすいとされています。

2)外反受傷

着地やカッティング時に過度な内側荷重が強いられたり、外側からの強い接触を受けることなどによって受傷します。外反受傷を伴う損傷は、主として三角靭帯と遠位脛腓靭帯です。

【リハビリテーションとリコンディショニング施行上のリスクマネジメント】

1)免荷

足関節捻挫後に荷重痛が強い場合、骨折や軟骨損傷の合併も念頭に置く必要があります。また、荷重動作が炎症反応を助長させることから、松葉杖などを使用し免荷を行う必要があります。

2)適切なRICE処置

適切なRICE処置を行うことで静脈血栓などの合併症を防止することができます。ただし、過度な圧迫は逆に神経麻痺や静脈血栓の要因となるため、注意して施行する必要があります。また腫脹が長く存在すると結合組織の癒着が起こりやすくなるため、可動域制限防止の観点からも早期の炎症反応抑制は重要となります。

【リハビリテーション】

足関節靭帯損傷後のリハビリにおいては急性期(炎症の強い時期)、亜急性期(炎症改善・荷重痛軽減の時期)、復帰期(正常歩行・可動域改善の時期)に分けて施行していきます。

1急性期

急性期では、①損傷靭帯の保護、②炎症反応の抑制の2点が重要となります。

2亜急性期

熱感や疼痛が軽減して、歩行時の荷重痛が改善してくると機能訓練に向けたリハビリを実施していきます。

①可動域練習;可動域制限は主に背屈に生じやすい。疼痛のない範囲での底背屈運動から行います。

②筋力強化練習:筋力強化を行う際は、足関節の可動範囲を考慮すれば靭帯に身長ストレスは生じません。早期から疼痛と損傷靭帯への伸張ストレスのない範囲で抵抗運動を取り入れ、強度と量を段階的に増やしていきます。

③荷重動作練習:荷重動作の運動学習は足関節に限らず、術後や外傷後の全ての疾患において重要とされています。動作の中から、他への影響を考えて指導を行うことによって可動域や筋力などの機能低下を最小限に止めることができます。

3復帰期

正常歩行や可動域が十分に確保されれば、復帰に向けた応用動作を取り入れていきます。

参考文献:下肢スポーツ外傷のリハビリテーションとコンディショニング

足の捻挫にも色々あります。適切な処置、対応ができるように再学習してみてくださいね。

コメント


特集記事
最新記事
タグ検索
ソーシャル
  • Facebook Classic
  • Twitter Classic
  • Google Classic
bottom of page