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捻挫〜上肢バージョン〜

  • physical-infinity
  • 2017年7月31日
  • 読了時間: 2分

捻挫シリーズの上肢バージョンです。是非勉強して見てください。

肩関節及び肘関節の領域においても、外傷による捻挫がしばしば見られます。関節捻挫とは、関節が生理学的な範囲を超えて運動が強制された場合に関節包や靭帯の一部が損傷された状態のことで、なおかつ関節の適合性が保たれている状態のことを言います。肩関節領域でこの関節捻挫の定義に該当する疾患としては、外傷性肩関節前方亜脱臼、肩鎖関節脱臼(Tossy分類gradeⅠ)とがあります。また、肘関節領域では、内側側副靱帯損傷が該当します。

1)肩関節捻挫

外傷性肩関節前方亜脱臼が肩関節においては捻挫の定義に該当します。つまり、関節包靭帯である前下関節上腕靭帯(AIGHL)が一部損傷されているが、関節相互の適合性が正常に保たれている状態です。症状としては、90°外転位での外旋位で脱臼不安感があり、anterior apprehension test(図1)が陽性であるが、MR arthrographyでBankart lesionや関節包断裂がはっきり認められません。

2)肩鎖関節捻挫

肩鎖関節脱臼のTossy分類gradeⅠ(図2)が肩鎖関節捻挫に該当します。GradeⅠは関節包及び肩鎖関節の部分的あるいは不完全断裂の状態です。診断は、肩鎖関節2方向撮影像から容易とされていますが、転移の程度を知るためにストレスX線撮影(5kgの重錘バンドを巻く)を行うこともあります。

3)肘関節捻挫

捻挫の多くは内側側副靱帯に起こります。これは1回の強力な外傷だけでなく慢性に繰り返される軽微な外力、すなわち投球動作によっても起こるものがあります。靭帯損傷の程度を検査する方法として、徒手的に外反ストレスを加える方法があります。肘関節を軽度屈曲位にて行うことで、肘頭を肘頭窩より外して骨性の安定性を除くことが可能となり、内側側副靱帯の損傷程度を確認しやすくなります。肘の外反ストレスが陽性で画像所見が見られないものが、内側側副靱帯部の捻挫と診断されます。

引用文献:牧内 大輔 他 Orthopedics 捻挫とテーピングテクニック 2004 Vol17 6

いかがでしたか?肩・肘関節の捻挫について説明してきました。捻挫には、テーピングも有用とされています。機会があれば、テーピングにも触れていきたいと思います。


 
 
 

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