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インピンジメント症候群を知っていますか?

  • physical-infinity
  • 2017年6月27日
  • 読了時間: 3分

今回は、インピンジメント症候群について紹介したいと思います。一度は聞いたことがあると思います。しかし、意外と説明となると難しいとなる方も多いのでは?

概要だけですが、再度確認してみましょう。

 

インピンジメント症候群には、肩峰下インピンジメント、烏口下インピンジメント、インターナルインピンジメントの3つがあり、野球、バレーボール及びテニスなどのオーバーヘッド動作で発症しやすいと言われています。

一般的には、腱板機能障害や肩関節不安定症などによる肩甲上腕関節異常がインピンジメントの第一要因になると考えられています。しかし、肩甲上腕関節だけでなく肩甲胸郭関節の異常では、肩甲骨位置異常を引き起こし、インピンジメントの第二の要因となり得ます。

《インピンジメント症候群の病態》

1.肩峰下インピンジメント

「肩を挙上することにより大結節の棘上筋腱付着部が肩峰の前下縁と衝突し疼痛を引き起こす病態」と定義されています。腱板損傷の合併症が多く、その程度により、浮腫、炎症、部分断裂、完全断裂というように段階的に病状が進行していくとされています。肩峰下インピンジメントの原因として、外因と内因が考えられています。主な外因としては、肩峰の骨形態異常や烏口肩峰靭帯の肥厚などの肩甲骨自体の形態異常の場合と肩甲骨の異常前傾位による位置異常の場合があります。オーバーヘッドスポーツの場合、挙上動作時の肩甲骨上方回旋可動域の低下と肩甲胸郭周囲筋の筋力低下により肩甲骨が前傾位をとるという位置異常が生じやすく、結果的に肩峰下スペースの狭小化につながり本疾患の外因となります。

一方、腱板機能不全が骨頭の求心性低下を引き起こし、肩峰下インピンジメントの内因を支持する報告もあります。腱板機能不全には、中高年に多い加齢性変化と若年齢のオーバーユースがあります。

2.烏口下インピンジメント

肩関節を前方挙上で水平内転内旋させた際に烏口突起と上腕骨小結節が衝突し疼痛を引き起こす状態を言います。発生原因には、上腕骨が烏口突起に接近する場合と烏口突起が上腕骨に接近する場合が考えられています。前者としては、肩甲下筋腱機能不全により骨頭の求心性低下の場合や肩関節前方不安定性により骨頭の異常前方移動を認める場合があります。後者としては、烏口突起骨折後の変形治癒の場合、肩甲骨頚部骨切り術術後に医原性に起こる場合、さらに肩甲骨の内旋可動域低下によって肩甲骨が異常外旋を取ることによって起こる場合があります。

3.インターナルインピンジメント

肩関節を90°外転位で最大外旋すると、骨頭と関節窩後上方関節唇との間に挟み込まれる現象です。生理的な範囲でも起こる現象とされていますが、病的な場合には疼痛を引き起こし、スポーツレベルの低下の一因になるため問題となります。以前は肩の前方不安定症が関与すると考えられていましたが、最近では後方関節包のタイトネスと骨頭の後上方移動及び上方関節唇損傷などが関与して起こると考えられています。また、肩甲骨の外旋可動域低下によって、肩甲骨が内旋位傾向になると上腕の外旋角度が小さくても相対的に肩関節が外旋位を取ることになり本現象が起こりやすくなります。

参考文献;伊藤 陽一他 インピンジメント症候群の管理

 

今回は、難しい言葉がたくさん出てきましたね。オーバーヘッドスポーツでよく聞く病名です。

痛みを伴う肩の引っ掛かり感は、体の異常を示す警告です。無理せずに休息や専門医へ指導を仰ぐことも大切かもしれませんね。

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